荒川河川敷にテントを設営し荒川での生活が始まった。それなりに快適に暮らしてはいるがスーパーやコンビニまで距離のある点と夜間の暗さが不便だ。河川敷に住んでいるのだからどちらも仕方のない事だが現在の野宿地から最寄りのコンビニまでは徒歩で10分の距離がある。河川敷から道路に出るだけで徒歩3分かかってしまう。もう1つ不便に感じている夜の暗さと相乗して不便度が増している点に本気で困っている。

荒川河川敷にはいくつか公衆トイレが設置されていて僕も有り難く使用させて頂いている。ただしこの公衆トイレが夜は真っ暗なのだ。荒川沿いに設置された全ての公衆トイレがそうであるかは確認出来ていないが僕の居住地の近くにあるトイレは2つとも電気が無い。電気を点けるためのボタンさえ設置されていない。磨りガラスの付いた天窓から入る自然光のみが頼りだ。夜になって太陽が引っ込めば当然トイレ内はまっ暗闇となる。怖くてとても夜間は利用出来ない。

そして仕方なくコンビニでトイレを借りようとするなら片道10分だ。ここでコンビニの遠さがボディーブローのように効いてくる。夜間はお手洗い事情に相当用心する必要がある。懐中電灯を持って公衆トイレに行くという手段もあるが暗闇を照らすという行為が既に怖い。トイレに電気が無いのは予想外だったので正直辟易している。

悪い点を先に行ったが当然良い点もある。思えば僕は成人してからずっと集合住宅に住んできた。成人後は半径10メートル以内に必ず他人が寝起きしていた事になる。寿町のドヤに住んでいたときは1メートル横に隣人が居た。今の野宿地は良い具合に孤独を感じられる。精神を病む性質の陰湿な孤独ではなく心地の良い孤独だ。キャンプをする人の気持ちが分かった。人付き合いも大切だが人と離れる時間もとても大切なようだ。

野宿生活を始めてから五感の1つである聴覚がかなり研ぎ澄まされてきた。今の野宿地は草木に覆われすぐ隣を荒川が流れている。自然が立てる音はどのような音も新鮮な響きで耳に入ってくる。虫が草むらをかき分ける音や荒川の水面を跳ねる魚の音は僕に安心を与えてくれる。

反対に不安に感じる音もある。人間の出す音だ。鳥の鳴き声や虫の音が途絶えたときは人間が近くに来た合図だ。土の上を歩く音や話し声にはかなり敏感になった。時折僕のテントの5メートルぐらい隣を歩いて行く人がいる。(そんなに多くない。1日に10人もいない)足音がちゃんと遠ざかっていくかをテントの中で耳を澄まして聞いている。過ぎ去るまで僕は物音を立てないようにしている。警戒はした方が良い。人の目につかぬようひっそりと野宿をして一般の人に不快な思いは与えないようにしたい。

テントの中に明かりが欲しいためダイソーでミニランタンを購入した。ダイソーには色々なランタンが売られている。僕の買ったのは24時間連続点灯が可能らしい。100円だ。ダイソーには300円や500円でもっと性能の優れたランタンも売られていたが点灯時間が8時間だとか長くても12時間とかだった。8時間ごとに電池を交換するのは嫌だ。だからこのランタンを買った。
20220516_135304339

20220516_185611597
だが明かりが小さすぎる。ポメラ(ワープロ)のすぐ近くで点灯しているのにキーボードさえ見えない。100円で雰囲気を買ったのだと思えば悪くない買い物ではある。

こちらは多少実用的だ。
20220516_185630668

20220516_185701816
ペン型のライトだ。こちらもダイソーで100円で売られていた。テントの天井にフックがあるので吊して使っている。ただし使用するとテントの外にも光が漏れる。目立ってしまうのが難点だ。