昨晩遅くにウーバーでご飯を注文した。僕の住むドヤは帳場さんが居ない時間には外部の人間が中に入る事は出来ない。配達員さんも当然夜間はドヤ内に入れないから僕はいつも建物玄関前への置き配をお願いしている。

これまで何度もそうやって注文していて問題は無かった。昨日の配達員さんは少し不安に思ったようで「指定の場所に配達完了しました。場所が場所なので盗まれないように早めに取って下さいね」とのメッセージを送って来た。丁寧でお客思いのありがたい配達員さんだ。

ただし1つ気になる点がある。「場所が場所なので」と言う一文だ。建物外への置き配なので気を使ったのだろうとは思うがもしかしたらドヤ街寿町を指して場所が場所と書いた可能性もある。どちらとも読める文章なので受け取り側がどう読み取るかで文章の意味が変わる。単なる気遣いなのか無意識のうちに寿町への素直な感想が漏れたのか分からない。どちらの意味のメッセージであったとしても配達員さんに悪気は無いだろう。

差別を受ける境遇であるというのは僕も理解している。ドヤ街に住むという事は差別の対象になるという事だ。だからドヤ街に慣れたと言っても面識のある人にドヤ街住民である事を知られないように注意をしている。会話はしないが顔をしっている人が寿町の外に数人居る。僕が相手の顔を覚えているのだから相手も僕の顔を記憶しているだろう。ドヤ街に住んでいる事を知られても困らないけれど受けなくても良い差別をわざわざ受けようとも思わない。珍しがられたり哀れみを受けるのも面倒だ。ドヤ街に住んでいる僕でさえドヤ街の住民を珍しく見る時がある。普通の人間であれば何も興味を持たないのに特別な興味を持つというのは理由はどうであれ周囲との差別化をしているという事だ。寿町の外に住む人からすれば寿町そのものもドヤ街住民も珍しい存在に違いない。

昨日の配達員の方が送ってくれたメッセージの「場所が場所なので」という文章にはやはり多少なりとも寿町への悪気の無い無意識の差別が含まれていたのだろう。彼には70円のチップを送った。ドヤ街住民からのチップに驚くが良い。

寿町の近所のスーパーやコンビニの口コミを見ると高確率でこういった類いの口コミに遭遇する。
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世間の一般の人の本音はこうだ。
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でも寿町にバットマンは居ない。