僕の暮らす簡易宿泊所の隣の建物は元々はなんたら荘とか言う寿町の中でもわりと古めの簡易宿泊所だった。昨年の終わりから年明けくらいに住人達が一斉に退去し消えた住人の代わりに今度は工事人がやって来た。

古い建物だから取り壊すのだろう。場所的に考えると再度簡易宿泊所が建つのだろうか? と思っていたが一向に取り壊す気配が無い。何をしているのかと思えば内装をいじくっている。いくら中身を綺麗にしたところでおんぼろの簡易宿泊所に住みたい人なんて居るのか? と不思議に思っていた。

春先に工事が終わり工事人達が姿を消すと今度集まってきたのは20代から30代くらいのインド系やベトナム系の人達である。どうやら簡易宿泊所としての営業を終えて外国人労働者向けの寮へと方針転換したようだ。どのようにして住人を集めているのか不明だがぽつりぽつりと人が増え1ヶ月くらいの間に全室埋まったようである。改装中は夜になるとひっそりした廃墟ビルのような外観だったが1つ1つの部屋に明かりが灯り廃墟ビルでは無くただの古い建物に戻った。

部屋の広さは僕の暮らす簡易宿泊所と変わらない。3畳だ。しかし僕は3畳の部屋に1人で暮らしているが彼らは2人で住んでいる。ただでさえ狭い空間に2段ベッドが置かれている。部屋の半分がベッドに占領されているかたちだ。暑い日でもエアコンを使わずに窓を開けている部屋が多いから彼らの生活がある程度垣間見える。ベッドに腰掛けてスマホを操作する姿は日本の若者と変わらない。

部屋が狭いためか彼らの国ではそれが当たり前なのか夜になろうとましてや雨が降ろうともお構い無しに洗濯物をベランダに干したままにしている。(写真はぼかし入れました)
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ベランダだけを見ると寿町の中で最も賑やかな建物になった。女性と男性で階層を分けているようでド派手な色合いの下着がずらりと並んでいるフロアもある。寿町ではあまり見られない光景だ。古い簡易宿泊所→廃墟ビル→古い建物と移り変わり現在は賑やかなベランダの建物になっている。

外国人の増加が治安の悪化を招いている地域もあると聞くが寿町ならいくら外国人が増えようとも元々治安の良くない地域だし問題は無いように思う。寿町に住む日本人よりも彼らの方が礼儀正しいくらいだ。日本人には需要の無くなった古い建物でも外国の方々なら喜んで住んでくれる。今後外国人寮に転身する簡易宿泊所が増えていくのだろう。