寿町に僕が初めて着いたのは夕方の18時だった。冬なのですでに日は暮れている。寿町が他の町と違う点はドヤとコインランドリーと老人の多さだ。

ドヤの宿泊相場は一泊1700円から2200円となっている。入居者募集とだけ書いて宿泊費の表示のないドヤも多かった。年配の人が多い町だが若くて身なりの綺麗な人の姿もあった。圧倒的に男性が多いが女性もチラホラ居る。ただし女性は寿町の住人というよりも介護施設などで働く女性のようだった。

寿町の中心にある健康福祉センターと言う建物の写真。
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夜のため暗くてあまり良い写真が取れなかったのでグーグルの写真を借りた。ここは寿町住民の憩いの地になっているようで外の喫煙所やベンチには常に人がいた。センター内では何人もの人がテレビを一緒になって見ていた。この町に住むうちに仲良くなったのだろうか。おしゃべりを楽しむ人の姿もあった。道路脇の地面にも何人もの人が直接地面に腰を下ろしていた。

小一時間ほど歩き回ったが僕がドヤ街に抱いていたような負の側面は見られなかった。治安の悪さも感じないし街全体が臭い(ホームレスの人がその辺りでおしっこをするから)ということもなかった。ただ不法投棄らしきゴミの山は町の至る場所にあった。それを漁る人の姿も見かけた。

この町の人たちの殆どが生活保護を受給していると思われる。野外生活をしているような人の姿は全くなかった。生活保護を受けられずドヤにも住めない人は最寄りの関内駅周辺で寝泊まりしていると聞く。

1700円のドヤに一ヶ月泊まれば5万1000円が必要となる。毎月の食費も別途必要だ、ホームレスの人がドヤ代を捻出するのは難しいだろう。大阪の西成だと一泊500円から泊まれるそうなので寿町のドヤには割増感もある。ただし東京のドヤ街である山谷も寿町とほとんど同じ宿泊料金らしい。

寿町には飲食店も数件あるが値段は他の町と同じで普通の値段だった。驚くような安さの店はない。自販機の値段も普通だ。